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赤字企業の割合

2014年10月30日

約7割の日本企業が赤字

僕は、日本企業の存在に疑問を抱いている。
なぜなら、日本企業の約7割が赤字だからだ。

全法人数と赤字企業(欠損法人)数の推移。2012年(平成24年)の赤字企業の割合は70.32%。赤字企業は7割前後で推移している。

統計元:国税庁 会社標本調査

赤字企業割合の推移のグラフ。2012年(平成24年)の赤字企業の割合は70.32%。赤字企業は7割前後で推移している。

統計元:国税庁 会社標本調査

企業の目的は、「利益を追求する事」である。 それにも関わらず、なぜ、企業の7割が赤字なのだろうか? 単年度や四半期の赤字であるなら、問題ない場合もある(経営再建や設備投資等)。
しかし、毎年の赤字企業の割合が7割以上という結果を見れば、「日本企業全体に問題がある」と言わざるを得ない。 利益を追求していない、もしくは追求できないのだろうか。

企業の税収が減れば、国民の負担は増加する

赤字企業が多いので、当然、企業の税収も減っている。

以下のグラフは、主な税収(法人税、所得税、消費税)の推移だ。

日本の税収の推移。法人税の税収が減少傾向。企業の利益減少により、従業員の年収も減少している。一方で、消費税率は増加している。今後も消費税率は増加し、消費税の税収も増加していくだろう。"

統計元:国税庁 会社標本調査
2011年(平成23年度)以前は決算額、
2012年(平成24年度)は決算額(概数)、
2013年(平成25年度)は予算額

グラフからわかるとおり、法人税の税収は減少傾向だ。 そして、企業が儲かっていないので、従業員の年収も減っている。 だから、所得税の税収も連動して減り続けている。

一方で、消費税率は増加している。
1989年4月から消費税法が施行され消費税率3%となり、1997年4月には消費税率5%、2014年4月に消費税率8%となった。 さらには、2015年10月には、消費税率が10%になる予定だ。 2014年、2015年の消費税の税収データはないが、増加すると予測できる。 今後も消費税率を上げて、消費税の税収は増加していくだろう。
これは、「企業の税収が減少すれば、消費税の税収が増加する」と捉える事もできる。

国民の負担になるのは、消費税だけではない。 たばこの税率も上がったし、「携帯電話税」等の新税も検討されている。
つまり、「赤字企業が増加すれば、国民の負担は増加する」のである。

赤字企業は国の歳出でも問題になる

上記で述べた事は、国の歳入の問題だ。
加えて、赤字企業は国の歳出でも問題がある。
具体的に言えば、「補助金」だ。

都道府県および市町村は、大企業の誘致を積極的に行っているように見える。 誘致する為に、補助金が使われている。

誘致する目的は、税収の増加だ。
「大企業を誘致する事により、県や市の人口と雇用が増え、税収(住民税)が増加をする」という効果を狙っているようだ。 はたして、上記のような効果が実際に起こっているだろうか?

一例として、三重県と亀山市を挙げよう。
2002年、三重県および亀山市は、合計135億円(三重県90億円、亀山市45億円)の補助金を出し、シャープを誘致した。 当初は好調で、亀山市は財政力指数が1を上回る不交付団体となった。
2009年、シャープの不調により、亀山第1工場は操業停止。 生産施設をすべて中国企業に売却。 亀山市は再び交付団体に戻った。
wikiによると、亀山市駅前の商店街はシャッター街と化したそうだ。
(続きもあるが割愛。wikiのシャープ亀山工場参照)

問題は、135億円という巨額の補助金を「誰が」負担しているかである。
負担するのは、三重県民と亀山市民だけではない。
財政力指数のページで述べたように、市や県の財政力指数が1未満なら、交付団体となり、地方交付税交付金の対象となる。 地方交付税交付金の財源は、所得税、酒税、法人税、消費税、たばこ税だ。
つまり、三重県と亀山市がシャープに出した補助金は、国民が間接的に負担している事になる。

三重県と亀山市を例に出した理由は、補助金が巨額だったからだ。 どの都道府県、市町村も似たような企業誘致政策を行っている。
2012年度、都道府県単位で財政力指数が1を上回っている自治体はない。 企業誘致政策には、大いに疑問がある。

そして、補助金を受け取っている企業は、シャープだけではない。
僕が調べたかぎりでは、トヨタ、日産、ソニー、パナソニック、NEC、日立、東芝、キヤノンetc…
大企業の子会社、孫会社、下請け会社や倒産した企業を挙げればキリがない(一例として下記参照)。
アパート急増でも入居は派遣社員 住民登録もせず、住民税も入らず 全国商工新聞
シャープもパナソニックも!「裏切りの工場撤退」で補助金が泡と消えた 現代ビジネス

「補助金」だけではない。
「助成金(雇用助成金、トライアル雇用奨励金等)」「エコカー補助金」「エコポイント」等も企業に使われている税金である。
「円安政策」も(国民の負担になっているという意味で)一種の税金だ。

企業に生存権はない

国が企業に過剰ともいえる支援をする理由は、「法人税の納税と雇用の為」である。 法人税を納めない企業(赤字企業)は、存在する意義がない。
ここまでで述べたように、赤字企業は国の歳入面でも歳出面でも悪影響しか及ぼさない。

赤字企業は基本的に、非効率な経営をしている企業であったり、消費者に求められていない企業だ。
そんな企業は、潔く死んでもらわなければならない。

僕は、非情な事を言っているつもりはない。
個人であれば、生存の権利がある。
企業(法人)は、法律で団体を人と見立てているだけであって、生存権が認められているわけではない。

経済学者の野口悠紀雄氏の言葉を借りれば、
「消費者の要求に応える企業は存続し成長するが、そうでない企業は淘汰されて消滅する。これが市場経済の基本原則である。」
という事だ。
僕が言っている事は、市場経済の基本原則に過ぎない。

そして、誠に残念な事に、日本企業の約7割が市場経済の基本原則に逆らって、生き延びようとしている非常識な企業である。

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