年功序列賃金とネズミ講の類似性
2013年10月30日
年功序列賃金はネズミ講と同じシステム
年功序列賃金とネズミ講は類似したシステムではないだろうか。
「社畜の起源」の項目で、年功序列賃金とネズミ講について少しだけ触れた。
もう少し具体的に述べよう。
年功序列賃金とネズミ講は、機能している場合は問題ない。 しかし、どちらのシステムも前提がくずれると破綻する。
ネズミ講について
ネズミ講の前提は、「会員が無限に増加する」事だ。 会員が無限に増加する、という前提でネズミ講は上手く機能する。 新規会員が増え続ける限り、既存会員は支払った会費より多く配当金を貰える。 だが、会員が無限に増え続けるという現象はありえない。 いずれ下位会員が増えなくなる。 将来的に破綻するという事は、お金に目が眩んでなければ誰にでもわかるはずだ。
年功序列賃金について
同様の事は年功序列賃金にも当てはまる。 年功序列賃金の前提は、「企業が無限に成長し続ける」事だ。 企業が成長し続ける、という前提で年功序列賃金は上手く機能する。 実際、年功序列賃金は高度経済成長期に驚くほど機能していた。 だが、企業が無限に成長し続けるという現象はありえない。 ある程度は成長するだろうが、一定以上の規模になると厳しくなってくるだろう。
前提が崩れるとどうなるか
では前提が崩れるとどうなるだろうか。
ネズミ講の場合、前提が崩れると、大多数である下位会員が損をする。
支払ったお金よりも取り分が少なくなる。
上手く立ち回れば返金してもらえるようだが、多大な時間と労力を要するだろう。
年功序列賃金の場合、前提が崩れると、会社が倒産した、リストラ対象になった、老害がいっぱいで上のポストに就けない、といった事になる。
簡単に言えば、会社の為に尽くした努力が無駄になる。
「若い頃に低い賃金で我慢し、後で元を取り戻す」、という年功序列賃金の大原則が成り立たなくなる。
これはとても大きい。
苦労してきた事が無駄になるので、ネズミ講の詐欺被害にあったのと変わらない。
お金以外にも、努力や時間が戻らない分、ネズミ講よりタチが悪いのではないだろうか。
年功序列賃金の犠牲者は誰か
年功序列賃金は崩壊している。 ネズミ講で例えると、新しく入会しても、下位会員にしかなれない。
年功序列賃金は、後から入社した人が損をするシステムだ。
破綻した場合、後から入った者がババを引く。
「最近の若者はやる気が感じられない。」と言った旨の発言をする人がいるが、崩壊している制度の下位会員のやる気が出るわけがない。