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日経平均の変動は「円安円高」だけで説明できる

2015年10月26日

日経平均とはなにか

「日経平均」(または「日経平均株価」)という言葉をよく耳にする。
「リーマンショックの影響で日経平均が暴落した」「アベノミクスの政策によって、日経平均が1万8000円を超えた」といった感じで使われる。

そもそも日経平均とはなんだろうか? wikiでは、以下のように説明している。


日経平均株価(にっけいへいきんかぶか、英: Nikkei Stock Average)は、日本の株式市場の代表的な株価指標の一つ。単に日経平均や日経225(にっけいにひゃくにじゅうご、にっけいにーにーご)とも呼ばれる。英語圏の報道機関ではNikkei 225と表記される場合もある。1960年4月の株価の基準値を1000とした。
ダウ式平均株価であり、東京証券取引所第一部に上場する約1700銘柄の株式のうち225銘柄を対象にしている。日本経済新聞社がその銘柄を制定、15秒毎(2010年以降)に算出し公表する。
日本の株価指標としては東証株価指数 (TOPIX) と並んで普及している。最も知名度の高い株式指標であるため、純粋に民間が作成している経済指標でありながら、日本国政府の経済統計としても使われている。

上記の説明のとおり、日経平均は知名度が高く、政府の経済統計にも使われている。
だが、僕は「日経平均は日本経済の指標にはなり得ない」と思っている。
理由は単純で、「日経平均は、周りの景気によって変動するだけの他人任せな動きしかしない」からだ。

円安円高だけで説明できる日経平均の変動

株価は企業の実力を示している。
基本的に、企業の実力が上がれば株価は上がり、実力が下がれば株価は下がる。

しかし、日経平均株価は、企業の実力とは無関係に変動しているように思えてならない。
2008年以降、リーマンショックで世界的な不況になったら、日経平均は暴落した。
2012年12月以降、異次元金融緩和政策で、日経平均は上がった。
2015年8月以降、中国経済の不調により、日経平均は下がった。

上記を言い換えると、「経済の大きな変化で、円安に動けば日経平均は上がり、円高に動けば日経平均は下がる」という事だ。
実際に、日経平均株価とドル円為替レートを見てみると、高い相関がある事がわかる。

日経平均株価とドル円為替レート。日経平均株価とドル円為替レートは高い相関がある事がわかる。

日経平均株価とドル円為替レート
※日経平均株価は月の終値、ドル円為替レートは月間の平均レート

日経平均の変動理由は、「円安(円高)になったから」の一言で説明できてしまう。

「株価は企業の実力を示している」と先に述べた。
だが、日経平均に算出されている225企業の株価は、「企業の実力」よりも「円安・円高」によって変動している。
つまり、日経平均は、周りの景気変動によって流されるだけの主体性がない指標と言える。

日経平均に算出されている企業は古い企業しかない

そもそも日経平均に算出されている225の企業は、古い企業ばかりだ(余談だが、ひさしぶりに225の企業を確認していたら、東京電力やシャープが未だに含まれていてビックリした)。

世界的に有名な指標として、NYダウやナスダックがある。
これらは、経済の指標になる。
理由は、「設立したばかりだけど実力のある企業」や「古くても時代の変化に対応する企業」が含まれているからだ。

例えば、グーグルの設立は1998年。
まだ設立から20年未満にも関わらず、世界時価総額2位だ。
高い実力を持つグーグルは、人工知能、自動運転等、様々な最先端の分野で活躍している。
グーグルのように「設立したばかりだけど実力のある企業」は、日経平均に算出されている企業の中には存在しない。

もう一例を上げると、IBMだ。
IBMは1990年代、大型コンピュータ等のハードウェア売上低迷により、存亡の危機に立たされていた。
改革の為に呼ばれたルイス・ガースナーがCEOになってから、IBMは変わった。
簡潔に書くと、IBMはハードウェアからソフトウェアへ、製品からサービス業へとビジネスモデルが変化した。
(ガースナーのIBM大変革の物語は、すごく面白いので別の機会に長く話したい)
2000年以前ではハードウェアの売上が高かったが、それ以降はソフトウェアとサービスの売上が高くなった。
IBMは、古い企業にも関わらず、ビジネスモデルの大転換を行い生き残った。
IBMのように「古くても時代の変化に対応する企業」は、日経平均に算出されている企業の中には存在しない。

日経平均だけを見ても日本経済はわからない

僕は「すべての日本企業がダメだ」と言っているわけではない。
日本にも、世界的に見て優れている企業は(少ないながらも)存在する。
だが、それらの企業は日経平均には含まれていない。

確実に言えるのは、「日経平均だけを見ても、日本のごく一部分しかわからない」という事だ。
日経平均は、2012年11月に10000円未満だったが、2015年10月の時点で18000円台となった。
日経平均は倍近くになったが、生活が良くなったと感じる人(特に労働者)は少数だろう。
実際に、厚生労働省の毎月勤労統計調査を見ても、労働者の給与は大きく変わらず低水準のままだ。
円安による商品や光熱費の値上がりを考えれば、相対的に貧しくなっていると言える。

日経平均が上昇したからといって、「日本経済が良くなった」と考えるのは早計である。

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