中国人旅行者の買い物内容の変化
2015年5月25日
中国人旅行者の爆買いが話題になるが
中国人旅行者が、日本で大量に買い物をしていくのが、時折話題になる。
中国国内では買えない高品質の商品を、まとめ買いしようというものだ。
ところで、中国人旅行者が買うものといえば、定番の物が大体決まっていた。
数年前であれば、洗濯機や冷蔵庫等の「家電製品」が定番だった。
特に、「炊飯器」「デジタルカメラ」「腕時計」はよく売れている。
それが、変化している。
最近では、
・化粧品
・医薬品
・ステンレスボトル
・温水洗浄便座
・日用雑貨等
が相当増えているらしい。
変化する買い物内容から中国と日本を読み取る
上記の買い物内容の変化を見て、僕が思った事を述べたい。
まず、数年前までよく売れていた炊飯器やデジタルカメラや腕時計といった物は、日本のモノづくりの代表的な製品だ。
今でもそれらが売れているとはいえ、減少し始めている。
購買量が減るという事は、「日本と中国の製造業における相対的な差が縮まっているのではないか」と感じた。
「Made in China」をバカにしていた時代はもう終わりでも述べたように、家電製品は中国メーカーのハイアールから安く販売されている。
デジタルカメラは、スマートフォンに取って代わられつつある。
腕時計に関しては、昔と違い、高級品よりも低価格の物が売れているようだ。
これらを考慮すると、日本の製品が売れなくなるのも自然に思える。
そして、最近よく売れている製品を見ると、僕(に限らず多くの人)がよく購入する物と似ている。
中国人旅行客が日本で購入する物は、「直接口にする食品」や「医薬品やサプリメントや化粧品等の人体に影響する商品」が多い。
いかにも工業製品という物は、温水洗浄便座ぐらいだ。
買い物内容から中国と日本の差がなくなりつつある事を知る
さて、買い物の内容が変わってきているが、その変化はさらに続くだろうか?
僕は疑問に思っている。
というのも、自動車や一般的な家電製品に続いて、食品、日用品、医薬品まで売れなくなったら、次がないからだ。
温水洗浄便座も炊飯器もデジタルカメラも腕時計も、中国メーカーが作り始めている。
そして、ここ数年の日本製品で、かつて生み出していたような革新的な製品はない。
中国の食品、日用品、医薬品の質が良くなるのも、時間の問題に思える。
将来的に、新興国の買い物客にまで見放される姿が想像できてしまい、なんだか悲しい気持ちになる。