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ボリンジャーバンドを利用する

2014年11月12日

ボリンジャーバンドとは

ボリンジャーバンドとは、「移動平均線」と「統計学の標準偏差と正規分布」の考え方に基づいたテクニカルチャートの事だ。
「価格の大半がこの帯(バンド)の中に収まる」という考えを元に、ジョン・ボリンジャー氏が考案した。

ボリンジャーバンドは、為替レートに帯(バンド)を表示する。

ボリンジャーバンドの図。水色の範囲には約68.27%、黃色の範囲には約95.45%、緑色の範囲には約99.73%の確率で収まる。

ボリンジャーバンド

上記の図を簡単に説明すると、水色の範囲には約68.27%、黃色の範囲には約95.45%、緑色の範囲には約99.73%の確率で収まる。
だから、黃色または緑色の範囲をチャートが超えたら、反転する可能性が高い。

標準偏差と正規分布

ボリンジャーバンドの説明の前に、正規分布について軽く説明しよう。 正規分布は、フランスの数学者ド・モアブルが発見した。 ド・モアブルは、誤差がどのように分布するかを繰り返し実験した所、ある一定の形「正規分布曲線」になる事を確認した。

正規分布曲線は以下の図だ。

正規分布曲線。分布の曲線と横軸で囲まれる面積が1(100%)。μ(ミュー):データの平均値。σ(シグマ):標準偏差(どれくらいバラツキがあるかの値)。μ±1.0σの間に約68.27%、μ±2.0σの間に約95.45%、μ±3.0σの間に約99.73%の確率で収まる。

この分布の曲線と横軸で囲まれる面積が1(100%)だ。

μ(ミュー):データの平均値
σ(シグマ):標準偏差(どれくらいバラツキがあるかの値)

μ±1.0σの間に約68.27%
μ±2.0σの間に約95.45%
μ±3.0σの間に約99.73%

上記の事をわかりやすく説明する為、日本人成人男性の平均身長に当てはめてみよう。

日本人成人男性の平均身長μは約172cm、標準偏差σは約6cm。 この値を正規分布に当てはめてみよう。

172cm±1.0×6cm(166cm~178cm)の間に約68.27%
172cm±2.0×6cm(160cm~184cm)の間に約95.45%
172cm±3.0×6cm(154cm~190cm)の間に約99.73%

μ±3.0σの範囲である154cm~190cmに、多くの日本人成人男性が収まる。
190cm(+3σ)より身長が高い日本人成人男性の割合は、計算上0.135%{(100%ー99.73%)÷2}で、10万人中135人しか居ない。
これは、感覚的にわかると思う。
人通りの多い駅前でも、190cm超えの人はなかなか見かけないだろう。

日本人成人男性の平均身長でハイアンドローゲーム

仮に、日本人成人男性の平均身長で、ハイアンドローゲームをするとしよう。
今、駅の改札から190cmの人が出て行ったとする。 次に改札から出て行く人は、190cmより高い(HIGH)だろうか低い(LOW)だろうか?

身長や体重は、多くのデータから、正規分布曲線になる事が確認されている。 よって、LOWに賭けておけば、約99.865%の確率で勝てる。
同様に、駅の改札から154cmの人が出て行ったならば、HIGHに賭けておけば、約99.865%の確率で勝てる。

この正規分布の考えを当てはめたのが、ボリンジャーバンドだ。

+2σ以上または-2σ以下であれば勝ちやすい

ボリンジャーバンドの場合、μは移動平均線(単位時間あたりの為替レートの平均値)、σはボラティリティー(予想変動率)だ。 下の図で、水色の線の範囲が±1σ、黃色の線の範囲が±2σ、緑色の線の範囲が±3σだ(黄色い線のチャートはユーロ円の為替レート)。

ボリンジャーバンドの図。水色の範囲が±1σ(約68.27%)、黃色の範囲が±2σ(約95.45%)、緑色の範囲が±3σ(約99.73%)。+2σ、+3σ以上、または-2σ、3σ以下であれば勝ちやすい

前のページ「テクニカル分析を利用する」で、テクニカル分析の本質は、「過去の為替レートから、将来の為替レートを予測する事」ではなく、「多数派に乗っかる事」だと述べた。
ボリンジャーバンドの利点は、「取引タイミングがわかりやすい事」だ。 ボリンジャーバンドの取引タイミングは、FX初心者でも、FX歴10年の経験者でも、そんなに変わらない。
つまり、ボリンジャーバンドを利用している投資家と一緒に、多数派に乗っかりやすい。

仮に、現在のドル円レートが-2σ以下に到達すれば、「買う(ドル買い円売り)」投資家は多いだろう。
逆に、現在のドル円レートが+2σ以上に到達すれば、「売る(ドル売り円買い)」投資家が多いだろう。

ボリンジャーバンドの注意点

ただし、ボリンジャーバンドを過度に信用してはいけない。
人間の身長や体重は、多くのデータから、正規分布曲線になると証明されている。
しかし、平均為替レートμと予測変動率σは、正規分布に基づいているわけではない。

例えば、下の図のように、為替レートが+2σ付近をうろつきながら上昇する事がある。 ボリンジャーバンドが、正規分布に基づいているなら、このような動きはしないはずだ。 +2σ以上の面積の部分、約2.275%{(100%ー95.45%)÷2}の確率が連続している事になる。

ボリンジャーバンドの図。為替レートがボリンジャーバンドの+2σ付近をうろつきながら上昇している。ボリンジャーバンドが、正規分布に基づいているなら、このような動きはしないはず。

それでも、僕がボリンジャーバンドを利用する理由は、上記で述べたように「多くの人がボリンジャーバンドを利用しているから」だ。 そして、実際に利用して、勝率が50%を超えているからである。

まとめると、ボリンジャーバンドを利用すると、多数派に乗っかる事ができるので勝ちやすくなる。 少なくとも、適当に取引をするより勝率は高くなるはずだ。
ただし、ボリンジャーバンドは正規分布に基いて考案されたテクニカルチャートだが、実際に正規分布曲線になる事は確認されていない。 過信はしないようにしよう。

次のページで、ボリンジャーバンドを利用して、勝ちやすい場合について述べていく。

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