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2013年9月11日

新卒内定者が全員辞退した会社

とある企業S社が、新卒者4名全員に内定を辞退された。 S社は、僕が働いていた頃の業務請負先である。 S社は、従業員約40名、メイン業務は半導体、医療、電子顕微鏡といった装置システムのソフトウェア開発だ。 取引先も、業界では名が知れた有名企業ばかりだ。 堅実な経営が売りの企業である。 売上が伸びている成長企業だし、安定した企業でもある。 新卒者には大変魅力的に見えるだろう。

しかし、なぜS社は新卒内定者に内定を辞退されたのか。 内定辞退4名は、別々の大学で、個々に内定を辞退した。 全員が、メイン志望の大企業に受かったから、等の言い訳は考えにくい。 前述のとおり、堅実な企業であるし、ネット上に悪評は見当たらなかった。 つまり、外部からの情報ではわからない理由により、辞退したと思われる。

外部情報だけではわからない

ちなみに僕は、辞退した理由を知っている。 というよりS社の従業員や関係者なら、誰でも辞退理由が想像できてしまう。

僕は打ち合わせの為に、週1~2回S社に訪問「しなければいけなかった」。 「しなければいけなかった」、という表現である程度想像できると思うが、S社の社内は居心地が良くない。 居心地が良くない理由は、一人の人物によるところが大きい。

なぜかS社には、僕の席も用意されていた。 打ち合わせ後の細かい仕様確認等もあり、打ち合わせ後はS社で仕事の続きをする事が習慣になっている。 その日はたまらなく苦痛だった。

普段の社内は、静まり返っている。 聞こえるのは、カタカタとキーボードを打っている音、椅子がギイギイなる音、カツカツと誰かが歩いている足音くらいだ。 不自然すぎるほど、人の声がしない。 声が聞こえるのは、打ち合わせ、電話応対、そして、ゼネラルマネージャーという肩書を持つI氏が従業員を呼び寄せた時くらいだ。 呼び寄せられた従業員は、返事をしながらも、内心ゲンナリしている。 僕の隣席の方が呼び出された時に、小声で「ゲッ」と言っているのも聞こえてしまった。
そして、説教タイムが始まる。 静まり返っている社内に、その説教はよく聞こえる。 「前も同じミスしてるよね?」、「いつになったら成長してくれるの?」等々、怒られているのは他人のはずなのに、やけに心臓にグサグサとくる。

企業は外部の評判だけではわからない。社内の内部まで確かめよう。

S社の面接は、I氏が面接官になる。 仕事場と同じフロアの打ち合わせスペースで行う。 打ち合わせスペースは、衝立があるだけで、壁などで仕切られているわけではない。 打ち合わせスペースからは、仕事場の様子を目で確認する事はできないが、音や雰囲気でなんとなくわかる。 内定を辞退した学生は、静まり返った社内I氏の面接から何かを感じ取ったのではないだろうか。

従業員として働きやすい企業か

企業選びの際に重要な点は、従業員として働く場合に、働きやすいかどうかだ。 前述した事は、外部情報だけではわからない。 ネットで企業の評判を調べ上げようとも、従業員として働く際、直接の参考にはならない。 業績が良い企業があったとしても、その業績は従業員を長時間拘束し、重労働を課した結果なのかもしれない。 S社は、企業としての地位も高いし、従業員の給料も良かった。 しかし、社内の空気が恐ろしく悪いし、社畜的な働き方を強要される。

そんな企業で働きたい人なんてまずいない。

企業を知るには、従業員を観察しよう

企業を知る一番良い方法は、その企業の従業員を観察する事だ。 従業員を観察すれば、その企業が概ねどんな感じなのかがわかる。 その企業のその従業員の仕事が、数年後にはあなたの仕事になるかもしれない。

会社説明会、OB訪問、インターン、面接等、企業の従業員と直接関わりを持つ機会はある。 その機会を大事にしよう。

間接的に聞いた情報よりも、あなたが直接企業と従業員を見て、感じた事の方が正しいはずだ。

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