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2chのFXコピペは破産確率を無視したケースがほとんど

2014年8月26日

2chのFXコピペの内容は「バカ」の一言で片付ける事ができる

社畜グレイイラスト、2chのFXコピペを書き込みをみて怯える。「おはぎゃあああ」「新しい 朝が来た 死亡の朝だ
追証に 耳をふさぎ 目を閉じた 総武本線 新小岩駅 ほら成田エキスプレスだ それ 1,2,3 新しい ナンピンで 膨らむ損 さわやかに ドテンして 往復ビンタ 希望とともに 青木ヶ原 このひろい 樹海 進めよ それ 1,2,3 敬礼 (`・ω・´)ゞ」等

2chまとめブログで、下記のようなコピペをよく見かける。


701 名前:名無しさん@お金いっぱい。2009/07/06(月) 20:16:04 ID:HnypSwRzQ
今日から参戦することになりました皆さん宜しくです
投資経験はゼロですがFXバ-チャルデモで僅か半年で資金が80~100倍になりました
デモをやってみた感じこれは行けると思いこの流れのまま先月で会社を退職
運転資金として消費者金融に自宅を担保に1000万借りて定期預金解約して500万
退職金が400万、妻の実家の両親から100万の合計2000万で始めます
35歳第二の人生頑張るぞ

442 名前:701 ◆zn05JVP3P. 2009/07/19(日) 09:41:36 ID:cDc5PSrrQ
皆さんお久しぶりです
三日連続的にロスカットになり資金が完全に無くなりました
消費者金融の方と話しあいましたが分割返済は認められないみたいなので
昨日話し合って妻とは離婚することにしました
娘は妻が引き取ることになります
我が人生完全に八方塞がりですね
残念です
さようなら

人間は知らないモノを怖れる。
日本人は投資教育を受けていないので、「投資(または投機)」を怖れている人が多い。 だから、上記のようなコピペを見れば、「投資は怖い」と思ってしまうだろう。
レスを見ると「FXに手を出したら終わり」「やはり堅実に働くのが一番」といったニュアンスのものが多い。

だが、待ってほしい。
僕から見れば、上記のコピペは「バカ」の一言で済む。
当然、他のコピペも同様だ。

バカと言える理由は、「破産確率」を無視しているからだ。
破産確率とは、「無限に賭けを繰り返した場合に、破産する(資金がゼロになる)確率」の事だ。 ほとんどのコピペは、破産確率が相当に高い。
期待値(もしくは払い戻し率)を重視する一方で、破産確率はないがしろにされやすい。

上記のコピペでは、約2週間で2000万円の資金がゼロになっている(本当かどうかはわからないが)。 この人は、例え2週間で資金が倍になったとしても、一年以内には破産しているだろう。

FXの破産コピペを見る限り、以下の2点をしでかす事が多い。
・損切りができない
・負け分を取り戻すために無茶な賭けをおこなう

損切りできなくて破産したケース

下記のコピペは、数字を記載しているので、破産確率を計算できる。


2007年09月06日
今日からFX!

初めまして!
30歳のフリーターです!
100万円の全財産を使ってFXに挑戦!
三ヶ月程毎日デモトレードで練習したので、かなり詳しいです!
デモトレードでは資金100万円から始めて500万円まで増やしました!

目指すはお金持ち!
タワーマンションに住み、高級車を乗り回したいです!
その前に車の免許を取らなくちゃ!

がんばって更新するので、応援してくださいね!

■今日の取引
サブプライム問題の影響でドルが不安定。
でもここが狙い目ですね!
下がった所で100枚買いました!
115.37×100枚

残高100万円

今日は初だったので、朝からずっと様子伺ってました!
今が買いです!

2007年09月08日
さようなら

最初で最後ってこういう事を言うんですね・・。
昨日夜中に114.43で強制ロスカットされてしまいました。
現在残高6万円。

一回の取引で半年分の給与が飛びました。
すごくショックでこれからどうやって生きていけばいいか分かりません。

-94万円

う・・。

破産確率は、勝ち金額と負け金額が同じ、負け金額で資金を割った値が整数の場合、以下の式で求められる。
(右記のサイトがわかりやすく解説してくれる。破産の確率

破産確率の式。(1-P/P)b/nの累乗。P:勝率、a:買った時の金額、b:負けた時の金額、n:資金。勝ち金額と負け金額が同じ、負け金額で資金を割った値が整数の場合。

上記の書き込みから、
a:買った場合に得られるお金100万円
b:負けた場合に損するお金100万円
P:勝てる確率60%と仮定(実際には0勝1敗なので0%だが…)
n:資金100万円
とする。

上記のコピペの場合、破産の確率はなんと約67%になる。

コピペの書き込みどおり、最初で最後の大バクチだ(本当かどうかはわからないが)。
取引中、一世一代の大勝負をしている事に気づいていたのだろうか。

推測に過ぎないが、この人は10万円程度プラスになったら、すぐに取引を終了する予定だったのだろう。 それが思わぬ方向に動いた為、やめるにやめられなくなった。 結果、「小さな負け」を認められずに、「取り返しのつかない大きな負け」となってしまった。

株やFXをやればわかるが、人はなかなか負けを認める事ができない。 自分で「負けを確定する(損切りする)」のは、思っているよりずっと難しい。 僕自身も、負けは認めたくないし、損している時はイライラする。

ではどうすればよいか?
システムで自動的に損切りしてもらえば良い。
ほとんどのFX業者では、指値(利益確定)と逆指値(損切り)を指定する事ができる。
「マイナス1万円になったら損切り」、「ドル円為替レートが99.985円を下回ったら損切り」と自分で値を指定するだけだ。
負けの場合は、システムに任せよう。

負け分を取り戻すために無茶な賭けをおこなうケース

下記のコピペは、負けを取り戻す為に、無茶な賭けをおこなったケースと考えられる。


320 名前:Trader@Live![] 投稿日:2011/09/06(火) 17:44:26.44 ID:7r2f9PYk
旦那に内緒でFXしてる幼なじみから今、嗚咽のような声で電話かかってきた。
家の貯金、いまのスイ円の暴騰で全部溶かしたんだと。1300万。
どうにかしてたすけて・・・おねがい・・って言われたけど、とりあえず一晩考えさせてくれって
電話切った。 まじ困った。

425 名前:Trader@Live![] 投稿日:2011/09/06(火) 18:12:10.16 ID:7r2f9PYk
また電話かかってきた。旦那にばれた時のこと考えると震えが止まらないと。
俺がいま貸せるのは200万って言ったら、俺が乗ってるプラドを売却できないかと。
元々FX勧めたのは俺だから、めちゃくちゃ責任は感じてる。

具体的な数字が出ていないので、僕の推測に過ぎないが、負け額を取り戻す為に取引通貨量を増やしていったのだと思われる。

取引通貨量を多くすれば、買った場合はその分の金額を得る事ができる。
仮に、1万通貨分の取引量で1円分為替レートが動いたなら、1万円分の金額を得られる。 10万通貨分なら10万円、100万通貨分なら100万円だ。

しかし、取引通貨量を多くすると、当然、負け額も多くなる。 10万通貨分なら10万円、100万通貨分なら100万円、1000万通貨分なら1000万円の損失だ。

「1300万円の損失」は尋常じゃない(本当かどうかはわからないが)。
いったい、どれだけ取引通貨量を増やしたのだろうか。

負けている時の精神は普通じゃない。 そんな時に勝負をすれば、大抵負ける。 「1日5万円の損失を出したらその日は取引しない」といったようなルールを事前に決めておくべきだ。

リスクは自分でコントロールできる

破産確率の式を見ればわかるが、破産する確率が高くなる条件は、以下の3点だ。

①勝率が低い
②負けた場合の金額が多い
③資金が少ない

FXコピペの破産ケースのほとんどは、②と③(もしくは両方)だ。
「大きく儲けよう」、「負け分を一度で取り戻そう」とすると破産確率は跳ね上がる。 大抵は、身の丈に合わない勝負をしている。

リスクは自分でコントロールできる。
破産したくないなら、上記の3点を意識すればいいだけだ。 ①の勝率を上げるのは難しいが、②と③は自分の意志でコントロールできる。

僕の破産確率を計算してみよう。
僕の場合は、「買った場合の利益:4560円(平均)、負けた場合の損失:10184円(平均)、勝率:77%、資金:120万円」だ。
僕のFX収支より)

破産確率の計算ソフトで計算すると、僕の破産確率は0.001%以下だ。

僕の破産確率。破産確率0.001%以下。買った場合の利益:4560円、負けた場合の損失:10184円、勝率:77%、資金:120万円で計算。

破産確率は、一般的に1%以下が望ましいとされている。

FXコピペを鵜呑みにして可能性を潰すのはもったいない

僕がこの記事を書こうと思ったきっかけは、下記の友人の一言による。

FXに手を出す奴は頭がオカシイ

話を聞いてみると、上記の発言は、FXコピペの影響によるものだとわかった。 2chのFXコピペを真に受けているのである。

FXは、確かに破産するリスクがある。 2chのFXコピペのように、破産したり、借金する可能性があるのも事実だ。

だが、例としてはあまりに極端すぎる。
これらのコピペは、そもそも現実の出来事かどうかわからない。 現実の出来事だとしても、破産確率を無視した結果に過ぎない。

友人のように、FX(投資全般)を怖がって手を出さないのは、稼ぐ選択肢のひとつを潰す事になる。
日本において、「雇われて働く」以外にお金を稼ぐ方法を知らないのなら、破産する可能性が高い。
ブラック企業問題が日本で深刻化している。
そんな日本では、「企業に体や心を破壊されるリスク」と「投資で破産するリスク」はどちらが高いだろうか?

説明したように、投資のリスクは自分でコントロールできる。
まずは、「知る」事から始めてみよう。

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