宝くじの当選確率と払い戻し率
2013年12月30日
宝くじという優れた税金徴収システム
宝くじは実に素晴らしいシステムだ。
まず第一に、一等3億円前後という設定が素晴らしい。
普通に働いていたら3億円は届かない。
夢を見るにはちょうど良い。
そして、一枚あたりの金額だ。
一枚200円~300円というお手頃な値段設定だ。
基本10枚1セットなので、10倍単位で購入してくれる。
最後に、宝くじというネーミングセンスだ。
宝を引けるクジ、と誰でも意味がわかる。
宝くじのシステムを考えた人は天才に違いない、と僕は思う。
宝くじという税金徴収システムが未だに残っているのは、発案者や運営者の努力の賜物だろう。
宝くじは税金と言っていい。
なぜなら、国や地方自治体しか販売できないからだ。
そして、売上は地方自治体や公益法人に流れる。
国へお金を寄付しよう、という人以外に宝くじはオススメできない。
宝くじは購入者をバカにしたシステム
宝くじは素晴らしいシステムと述べたが、あくまで「運営者の立場」だったら、の話である。
宝くじほど購入者をバカにしているシステムはないだろう。
なぜなら、還元率が恐ろしく低いからだ。
他のギャンブルと還元率を比較してみよう。
競馬や競艇は、約70%。
パチンコやパチスロは、約80%。
そして、宝くじは50%以下だ。
宝くじの還元率は最低の部類だ。
それから、宝くじには技術介入の余地がない。
例えば、競馬だったら馬の調子だったり、データを見て予想する。
麻雀であれば、効率の良い打牌をしたり、相手の捨て牌や挙動で待ち牌を予想したりする。
しかし、宝くじはそういった要素がまったくない。 宝くじ売り場で宝くじを買う事しかできない。 還元率を上げる方法が何一つないのである。
宝くじの当選確率と払い戻し率を計算してみた
では、実際の当選確率や払い戻し率(還元率)はどれくらいだろうか。 ネットで調べても具体的にはわからなかったので、自分で計算してみた。
2013年グリーンジャンボ宝くじで計算した。
まず全ての組み合わせは、組が100通り、番号は100000から199999までの10万通りで、100組×100000番号=1000万通り(10000000)。
一等の当たり枚数は一枚。
よって、一枚あたりの一等が当たる確率は、1000万分の1(0.00001%)となる。
僕はオンラインゲームが好きでよく遊ぶ。 MMO系のオンラインゲームで、敵がレアアイテムをドロップする確率は結構低い。 具体的な確率は、200分の1(0.5%)とか5000分の1(0.02%)だ。 しかし、そんな確率は宝くじ一等当選確率(0.00001%)なんかに比べたら、足元にも及ばない。
続いて払い戻し率だ。
一等が当たる確率と同じく、2013年グリーンジャンボ宝くじで調べた。
まず、全て(1ユニット)の宝くじを買った場合の総額は、一枚あたりの金額×全ての組み合わせで、300円×1000万枚=30億円。
それから全ての当選金額は、以下のとおりだ。
2013年グリーンジャンボ宝くじの総当選金額
総当選金額は14.499億円。
払い戻し率の計算は(総当選金額÷総購入金額)×100で、
(14.499億円÷30億円)×100%=約48.33%になる。
注意として、サマージャンボや年末ジャンボ等の他の宝くじは、当選金額が違ったり、組が100通りではなかったりするので、若干払い戻し率に差が出る。
それでも50%以下だ。
30億円の半分、15億円しか戻ってこない。
さらに言うなら、実際に買っている人の購入枚数(10枚~100枚くらい)で、3等以上が当たる事はほぼないだろう。 3等以上の当選金額を排除すると、払い戻し率は25%になる。 7.5億円しか戻ってこない。
こんなサイトを作ってくれてる人もいる。
Web宝くじシミュレーター
グリーンジャンボやドリームジャンボを一時間でも一晩でもいいから起動してみよう。 収支や払い戻し率がどれくらいひどいかがわかる。 このシミュレーターを起動して、宝くじを買わないと決めた人は、結構多いのではないだろうか。
お金を稼ぎたいなら宝くじは買わない方が良い
2013年の年末ジャンボ宝くじ(第651回全国自治宝くじ)は、1等と前後賞合わせて7億円との事だ。 しかし、1等の当選金額が増えたからといって、総当選金額が増えたわけではない。 2等以下の当選金額が下がるか、当たり本数が減らされるだけだ。 払い戻し率が5割を超える事はない。
もしあなたがお金を稼ぎたい、貯めたいと思っているなら、宝くじは買わない方が良い。 宝くじは、ギャンブルとして最低の部類だ。 一か八かのギャンブルをしたいのなら、宝くじを買うお金を投機にまわした方がチャンスはある。