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改善と改革の違い

2015年1月16日

日本から世界に広まったKaizen

「改善」という言葉自体は、ほとんどの人がご存知だろう。 「現状からより良い状態にする」という意味だ。
日本発の英単語から日本経済の特徴を考えるのページでも述べたが、この言葉は「Kaizen」という英単語で、世界的にも通用する。
工場での作業効率や品質の不具合防止等、製造業の生産に関わる基本概念だ。

例えば、「ある工具の置き場が自分の作業場から遠いので、より近くの場所に定位置を変える」といった基本的なものも含まれる。
日本の製造業は、戦後成長し、世界に冠たる地位を築いた。 その重要な要素のひとつが、改善活動だ。
日本を代表する企業のトヨタ自動車も、「トヨタ式カイゼン」という言葉に象徴されるように、現場におけるカイゼンを、基本概念のひとつとしている。

カイゼンするにも限界がある

では、日本における唯一と言っていい、強い産業である製造業は、これまでどおりカイゼンを続けていけば良いのだろうか?
そうではない。
一見カイゼンを続けていけば、いつまでも強くなり続けられるように思えるけれども、改善には限界がある。

個人で喩えてみよう。
自分の部屋の配置を改善するといっても、ほぼ完璧で、これ以上良くしようがない状態にいずれ達する。
筋力トレーニングを続けても、肉体自体に限界がある。
それらと同じ事だ。

改善の限界に加え、外国の製造企業が発展し、日本企業に追いつき、追い越してきている。 発展のペースは、明らかに日本企業がカイゼンするペースよりも早い。

新製品の登場によって生産方式の変更を迫られる

しかも、新製品(電気自動車等)の登場により、生産のルール自体が変わろうとしている。
この事に対しては、「日本はガソリン車やハイブリッド車が得意なのだから、今までどおり続けていけば良い」という意見もある。
「電気自動車が登場したといっても、主流になる事はない」というわけだ。
だが、僕は「従来型のガソリン車」や「ガソリン車の延長にあるハイブリッド車」が、「電気自動車」に置き換わると思っている。

置き換わった良い例が、携帯電話端末だ。
iPhoneが初登場した時、日本の通信業界では「日本の携帯電話は高機能だから、iPhoneが売れる事はない」という指摘があった。
しかし、現在の日本で一番売れている機種がiPhoneだ。 iPhoneだけでなく、Androidスマートフォンも日本に浸透した。 浸透した理由は、情報端末として、日本の従来の携帯電話よりスマートフォンの方が優れていたからだ。

電気自動車は、将来、自動運転機能も搭載される。
携帯電話端末と同じように、電気自動車は、やがて、製品としてガソリン車を超えるだろう。

古い製品の成長の限界と新製品の登場による代替のイメージ。古い製品を改善し続けても、いずれ限界に達する。古い製品は新製品の登場により置き換わる。

古い製品の成長の限界と新製品の登場による代替のイメージ

そして、上の図に示したように、カイゼンの限界に達したガソリン車は、将来、進化した電気自動車に置き換わるだろう。
少なくとも、世界的には、電気自動車が主役になるだろうと僕は考えている。

そして、電気自動車とガソリン車では、内部構造的に生産方式がまるで違う。 従って、根本から生産方式を変えないといけない。
作り方自体が変わってしまったら、従来の方式のカイゼンをしてもまったく意味がない。
「改善」ではなく、「改革」が要求されるようになる。

必要なのは改革

今の日本に必要なのは、「改善」ではなく「改革」だ。

従来の企業経営を元から変えるか、別の新しい企業が誕生し成長しないといけない。
個人で見ても、古い企業にしがみつくのでなく、自分で何か新しい事を始めたりしていかないと本当に生き残れない。
間違った行為を改善し続けても、目指すべき方向からどんどん遠ざかるだけだ。

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