このサイトについて

社畜について

ブラック企業について

社畜にならないために

ブラック企業を見極める

日本の現状

収入について

FX

支出について

コラム


ブラック企業の種類

2013年12月6日

「ブラック企業」と一括りにはできない

ブラック企業の特徴のページで、ブラック企業の特徴は、「従業員が辛い状況である事」と述べた。

「従業員が辛い状況」には、いろいろ種類がある。
労働時間が長い、給料が低い、職場でパワハラが横行している、退職を強要される、退職させてくれない等、辛いと感じる理由は様々だろう。 従業員ひとりひとりにいろいろな理由はある。 だが、原因の大半は環境による事が多い。 つまり、辛い環境を作っている企業の側に原因がある。

辛さの方向性が違うのは、ブラック企業にも様々なタイプがあるからだ。 ブラック企業と一言で言えてしまうが、一括りにはできない。
僕と友人の体験、ネットや書籍で調べた事から考察すると、ブラック企業には以下の種類がある。

①倒産寸前型
②無知経営者型
③ワンマン社長型
④インテリヤクザ型

他にも、秩序崩壊型、アットホーム型等考えた。 しかし、秩序崩壊型、アットホーム型単体でブラック企業になるかどうかと言われると微妙だったので加えない事にした。 ①から④をひとつひとつ解説していく。

①倒産寸前型

日本のブラック企業の大半は倒産寸前型である。

ここ10年の赤字企業の割合は7割程度だ。 法人税を払いたくないから支出を増やして赤字にしている、という企業も多いだろう。 だが、本当に稼げなくなって赤字に陥った企業も多くなってきている。 大企業の赤字転落や倒産やリストラ等のニュースを見ていれば、その事がよくわかる。
そして、お金がない企業は、以前はホワイト企業であったとしても、ブラック企業と化す。

昨今、ブラック企業の話題が多くなってきた。 そんな話題が多くなる理由は、企業がお金を稼げていないからだ。

例えば、日本の職場はあまりにも余裕がない。 余裕がない理由のほとんどが、人手不足の為だ。 人手を増やしたくても、お金がない為、企業は人を増やせない。 そして、ブラック企業は残った従業員に多数の業務をこなさせようとする。
どの企業も二人分(または数人分、時には数十人分)の業務を一人でこなさせる為に、「業務を効率化しよう」と言っている気がする。
しかし、効率化だけではどう考えても限界がある。

企業とは、営利目的の経済活動を行う組織の事だ。 つまり、企業はお金を稼ぐ為に存在している。
少人数の従業員に多大な業務を押し付けて、それでやっとギリギリ黒字(もしくは赤字)。 それは、もはや企業と呼べる存在ではない。
そんな企業は、早急に店仕舞をした方が世の中の為になる。

②無知経営者型

会社を辞めて起業した元従業員(いわゆる脱サラ組)は、無知経営者型になるケースが多い。 また、長年会社に勤めて社長になった人物も、無知経営者型になる確率が高い(業務スキルが高い事や会社の内部事情に詳しい事と、「経営」ではまったく別のスキルが要求される)。

無知経営者型は、その名のとおり経営者が経営に関しての知識が乏しい。
経営の意味を調べたところ、

事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。また、そのための組織体。

との事だ。

経営とは、経営学という学問があるように、専門知識を要する。 そもそも、会社を経営するのは、非常に高度な事だ。 「継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること」はとても難しい。
無知経営者型の経営失敗は、従業員にも被害が及ぶ。 大抵経営者の尻拭いを、従業員が行う事になる。

それから、脱サラ無知経営者型は法知識も乏しい。
以下に具体的な例を出す。
・無条件で時間外労働をさせても良いと思っている(三六協定を知らない)。
・従業員の給料から雇用保険料が引かれているにも関わらず、雇用保険料を支払っていない。
・アルバイト、パートは雇用保険に加入させなくても良いと思っている。
・社会保険等の手続きを知らない。

そして、法知識に乏しい為、労働基準監督署の監査を恐れる。 無知経営者型には、労働基準法を始めとする労働法が強力な味方となる。

③ワンマン社長型

会社の経営方針を自分だけで決める。 とても優秀な経営者で、経営が上手くいっているなら問題ない。 僕の理想は、「優秀で先見性のある」ワンマン社長だ。
だが、残念な事に「日本の」ワンマン社長の大半はそうであってはくれない。

経営者は、自分で判断する力が必要だ。 判断する為の材料は、多ければ多いほど良い。 周り(従業員、同業者、消費者等)の意見を聴く事は、判断材料を増やす事につながる。 もし、自分や会社にとって不要な材料であったとしても、その意見は切り捨てればいいだけだ。
ワンマン社長は、周りの意見を聞かない為、判断材料が少ない。 判断材料が少ない為、経営方針を間違う可能性が非常に高い。

ワンマン社長型は、過去に大きな成功をして、調子に乗ってしまった者が多い。 会社が傾きかけている理由を、自分以外の何か(従業員、他社、政治、時代、最近ではリーマンショックや震災等)のせいにする。 過去の栄光にだけすがりつき、現実を直視しようとしない。

そして、このタイプのもうひとつの問題は、「会社に優秀な従業員が居なくなる事」だ。
優秀な従業員が居なくなる理由は、二通りある。
一つは、優秀な従業員が、会社と社長に呆れて辞めていくパターン。
ニつは、ワンマン社長が優秀な従業員を追放するパターン。

優秀な従業員が居なくなった会社はどうなるか。 「優秀な従業員」を、「黒字社員」という言葉に置き換えるとわかりやすい。 黒字社員が居なくなれば、会社は赤字に転落するだけだ。
優秀な従業員が居なくなった会社に先はない。

④インテリヤクザ型

大企業と呼ばれる企業のほとんどは、インテリヤクザ型に分類されるのではないだろうか。 少なくとも、僕はそのように思っている。

マニュアルがあるかのように、法のグレーゾーンをついてくる。 日本の法律の欠点を突くのが実に上手い。 インテリヤクザ型は、法に触れていない範囲で、非道な振る舞いを当然のように行う。

このタイプの企業は、労働者にとって非常にやっかいな存在となる。 無知経営者型とは違い、経営者自身の法知識が豊富であるか、または詳しい者を味方につけている。

これらの型は結合する

①倒産寸前型
②無知経営者型
③ワンマン社長型
④インテリヤクザ型

以上、ブラック企業の種類を述べた。

これらの型は単独で存在している場合よりも、結合している場合の方が多い。
特に倒産寸前型は、他の型と結合しやすい。

倒産寸前型とインテリヤクザ型の結合例

例えば、倒産寸前型とインテリヤクザ型が結合するとどうなるだろうか。 インテリヤクザ型の大半は大企業だ(と僕は思っている)。 大企業は、経営不振に陥ると、大抵リストラ(人員削減)を決行する。 日本では、従業員を簡単に解雇する事はできない。 震災があったというような大きな理由がなければ、従業員を解雇できない。 だから、従業員が「自発的」に退職してくれる事が望ましい。
そして、従業員が自発的に退職してくれるように仕向ける為、「キャリア開発センター」「人材強化センター」等の「追い出し部屋」が誕生する。
倒産寸前型とインテリヤクザ型の組み合わせは、これからもどんどん多くなっていくだろうと僕は予測している。

ブラック企業増加の原因はお金を稼げていないから

倒産寸前型の所でも述べたが、「ブラック企業増加の原因は、企業がお金を稼げていないから」だと僕は考えている。
今までは、お金を稼ぐ難易度がイージーモードだった。 その為、問題のある企業でも、経営が上手くいっているように見えていた。 現在は、世界的に難易度がハードモードに突入している。 ぬるま湯に浸かってきた日本企業が、これを攻略できるとは到底思えない。 この先も、この難易度を攻略できずに脱落していく企業は多いだろう。
そんなヒヨワな企業に、従業員として忠誠を誓う必要があるだろうか?

<<  前のページ  「ブラック企業の定義
次のページ  「社畜とブラック企業の関係」  >>
inserted by FC2 system