3Dプリンターは製造革命を起こす
2015年3月9日
欲しい物を指示してそのまま作れる機械
もし、欲しい物を機械に指示すると、自動的に作成してくれる「魔法の機械」があったらどうだろう?
もちろん、そんな機械はこの世に存在しない。
ただし、似たような事は現実世界で行われている。
例えば、「電子レンジを使って、冷凍食品を温かい料理にする」といったような事だ。
ここ数年、「3Dプリンター」というものが登場している。
多くの人が使用した事があるだろうプリンターは、2Dプリンターだ。
2Dプリンターは、紙に自分の欲しいデザインや文章、数値等を指示して印刷する。
デザインのちょっとした変更も簡単だ。
これに対し、3Dプリンターは3次元のデザインをパソコンから送り、実際に3次元の物体を作る。 2Dプリンターと同じようにデザインの変更も簡単に出来る。
従来の物作りと何が違うか
「機械に指示して物を作るというのは、工場でも行われているじゃないか」と言われるかもしれない。
確かにそうなのだが、違いがある。
一般的な工場では、同じ規格の物を大量に作っている。
というより、基本的には、同じ物の大量生産しか出来ない。
機械の型を変えたり、新しい型を作らないと、製品の仕様変更が出来ない。
対して、3Dプリンターなら、欲しい製品が「そのまま」作れる。
今までの機械は、あるAという製品しか作れなかった。
しかし、3Dプリンターなら、素材さえ同じならAという製品でも、Bという製品でも作る事が出来る。
先に述べた電子レンジの例で言うなら、温める物は電子レンジ対応の食品なら何でも良いのと同じだ。
逆に、もし電子レンジがある一つの食品しか温められないなら、どの家庭も購入しないだろう。
既成品からの脱却が出来る
「なんでも作れる魔法の箱」とまではいかないにしても、3Dプリンターには夢がある。 3Dプリンターは高いものだと数千万円もするが、数万円程度の安価な物ならamazonやヨドバシカメラ等でも販売されている。 しかも、扱える製品は食品、建築物、自動車といった大型の物も含まれる。
現在の3Dプリンターは、2Dプリンターで例えると、黒のインクしか使えなくて、印字も荒い状態だ。 2Dプリンターはそこから進化して、カラー印刷ができるようになり、画質も大幅に改善された。 2Dプリンターと同じように、3Dプリンターもどんどん進化していくだろう。
3Dプリンターは、まだまだこれからの製品だ。
「やがて、3Dプリンターは、物を作るという経済の基本に根本的な影響をおよぼす」と僕は考えている。