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2013年10月1日

職場の業務が激増した話

僕が最後に務めていた仕事は監視業務だ。
業務内容は、「全国に設置している装置に異常がないかを24時間監視する」というものだ。

監視と聞いて、楽な仕事、と思われるかもしれない。 確かに監視「だけ」なら楽だった。
しかし、24時間人が居る部署という事もあり、いろいろな仕事を投げられる。 電話対応(クレーム含む)、取り次ぎ、作業有無の確認、装置故障対応等、細かい作業まで挙げるとキリがない。 特に電話対応は非常に多い。 一人で電話対応が100件を超える日もある。
本当に監視を担当する部署なのかと疑った。 A監視部という名が付いた部署だったが、電話対応部とか総合雑用部とかに改名すべきとずっと思っていた。

休憩時間にご飯も食べられない日も多い。 これ以上仕事が増えたら部署はまわらないだろうと思っていた。

そんな忙しいA監視部に新業務が追加されるらしい。 新業務説明なる会議には驚かされた。
「今までB監視部が監視していた装置を、A監視部で監視する」という話だ。
B監視部の人数は、A監視部の半分くらいだ。 人数だけでみると、業務量が大体1.5倍になる計算である。 実際には、装置の仕様や運用方法も覚えなければいけない為、それ以上に忙しくなる。

会社の話としては、「新システム導入により大幅に業務が効率的になった。A監視部でもB監視部の仕事ができるだろ?」という無茶なものだ。 要は人件費を抑えたいだけである。
(新システムが導入され、業務が効率化された事になっている。実際には微塵も役に立っていない。この話は脱線してしまうので、別の機会があれば。)

僕は、「自分の仕事だけこなし終わったらさっさと家に帰る」というスタイルで仕事をしていた。
だが、この話が通ってしまったら残業が増えてしまい、今までのようにはいかなくなる。

会議中にも僕は反対したし、会議後も上司や同僚に無理だと意見した。 残念ながら僕は少数派のようだった。 結局、B部署の仕事がA部署に引き継がれた。
B部署から引き継いだ仕事は当然のように人的ミスを多発し、A部署本来の仕事にも多大な影響が出た。

社畜的行動

上記の件は、A部署従業員の大半が反対すれば、なかった事にできたはずだ。 ほとんどの人達が会社に対して反抗しないし、意見をしない。 それどころか、経営者の味方をする者までいる。 まさに、wikiにあるように、社畜は会社の奴隷(家畜)なのだ。

この件で僕が気付いた事がある。 社畜は社畜でも、「行動や思考が違う」という事だ。 具体的に、社畜の行動は2種類に大別できると思った。 「自ら経営者に味方するタイプ」と「経営者に協力しないが反抗もしないタイプ」だ。
当サイトで、前者を能動的社畜、後者を受動的社畜と呼ぶ事にする。

能動的社畜

まず「能動的」の意味を調べてみた。

他からのはたらきかけを待たずにみずから活動すること。受け身でない活動。

能動的社畜は、上下関係が厳しい体育会系部活に所属していた方々に多いように思う。 また、会社の新人研修で洗脳され、能動的社畜になる人も居る。 従業員の中には、雇用されている立場にも関わらず、経営者目線で物を語る人がいる。 大抵の従業員から嫌われているだろう。

能動的社畜がいると職場はとても働きにくい。 経営者目線の意見で、従業員が働きにくい職場になっていく。
自分で自分の首を絞めるような行為をするのは別に構わない。 勝手にやってくれと思う。
だが、その行為が労働者全員の首を絞めている事に、能動的社畜は気付いてほしい。

受動的社畜

能動的と同じく、受動的の意味を調べてみた。

他から動作・作用を及ぼされるさま。自分の意志からでなく、他に動かされてするさま。

ほとんどの社畜が、受動的社畜に分類されるのではないだろうか。
「協調性を重視する日本の教育の中で生まれた存在」だと僕は思っている。
和を乱さない、周りに合わせる、事を荒立てない、大人に逆らわない。
意識していなければ、事なかれ主義になってしまうのが日本の教育システムだ。

会社や能動的社畜の言いなりになる。 積極的に物事を進めようとしない。 仕事がキツいのは、「仕方がない」事だと思っている。
一見無害そうに見えるが、このタイプの社畜が多いと職場が働きにくい方向に進んでいく。 とにかく周りに合わせ、あまり事を荒立てないようにする。 会社には不満いっぱいだが、上司や経営者には本音を隠す。

やっかいなのは、上の立場(会社、上司等)に逆らわない事だ。 受動的社畜が多いと、従業員全員が会社の方針に流されてしまう。

社畜が多い企業は従業員にとって働きにくい職場になる

経営者、能動的社畜、受動的社畜の連携はやっかいだ。
経営者が従業員に無茶な仕事を押し付け、能動的社畜が賛同し、受動的社畜が(イヤだけど)従う、という流れが完成してしまう。
社畜ではない従業員は、この流れに逆らう事が困難だ。 声が大きい経営者と能動的社畜に、意見がかき消されてしまう。 受動的社畜が表立って反対しない為、多数決でも負けてしまう。

ほとんどの従業員が仕事の案件に反対しているにも関わらず、受動的社畜が表立って反対しない為、経営者の思惑通りに事が運んでしまう。

上記(A監視部業務増加)の件で、一般的な従業員に過ぎない僕は、この流れを覆す事ができなかった。 同じ立場であるはずの従業員(社畜)が、味方ではなく敵になってしまうのだ。
もっとも、日本全国の職場で、こういった事が起こっているのではないだろうか。 この積み重ねが、日本の職場が働きにくい原因ではないだろうか。

経営者の味方をしても従業員に恩恵はない

経営者にとって、従業員は働かせれば働かせるほど、経営者の得になる。 しかし、従業員の得になる事はほとんどない。 恩恵を受けているのは経営者だけだ。
その理由を次のページで説明する。

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