就職
2013年9月22日
就職は無難なお金稼ぎの方法
経営者に雇われて、給料を貰う。
就職は、世界で一番行われているお金の稼ぎ方だ。
一番楽なお金の稼ぎ方だろう。
僕が考える就職に関しての一番のメリットは、経営の事を一切考えなくて良い事だ。 経営者の指示に従っているだけで、毎月一定のお金を貰える。 それから、(通常ならば)ボーナスも貰えるし、有給休暇も取得できるし、保険も完備されている。 定年退職すれば、退職金も貰える。 安定している企業に就職すれば、人生も安泰だ。
デメリットとして、毎日決まった時間を労働に当てなければならない。 それから、同じ時間に出社しなければいけない為、満員電車や交通渋滞を避けられない。 やりたくない仕事を回されたり、よくわからない会社のルールがあったり、とにかくストレスが溜まる。
メリットとデメリットを見比べると、経営の事を考えずにお金を貰える、というメリットが勝つのではないだろうか。 事実、世界中で多くの人が就職している。
世界的に就職のリスクが上がっている
僕の考えとして、就職する事を無条件で勧める事はできない。
まず、就職したからといって人生が安泰になるわけではない。
世界的に大きな変化がある昨今、その変化に企業がどのくらい適応できるだろうか。
柔軟に対応出来なければ企業は潰れるだけた。
企業が生き残る為のリストラで、あなたはクビにされるかもしれない。
例え変化に適応できたとしても、企業の経営が上手くいったところで、あなたが受けられる恩恵は非常に少ない。
そして、他先進国と違い、日本においては、さらに就職のリスクが高まる。
日本で就職する上でリスクが高まる理由を2点挙げよう。
①日本の経営者が世界的な動きに対応できていない
2008年のリーマンショックの影響は非常に大きかった。 リーマンショックによって世界的に不況になった。 それから数年経ち、世界は立ち直りつつあるが、日本は停滞したままだ。
赤字企業の割合はここ10年で70%前後になる。 当然、赤字を出し続ける企業は倒産するしかない。 もし就職に安定を求めるなら、大体40年間くらい企業が倒産しない事が条件になる。 しかし、今の状況で40年間倒産しない企業は、どれくらい存在するのだろうか。
日本が停滞している理由は、過去の栄光にしがみ続けているからだ。
日本は工業化に成功し、経済大国となった。
「メイドインジャパン」、「モノづくり大国日本」と世界にもてはやされた。
だが現在はどうだろうか?
例えば、家電製品を見てみよう。
ネット通販で検索したり、大型家電店を歩きまわれば、日本製品と海外製品の実力がわかる。
海外製品は安くシンプルだ。
それと比べて日本製品は、驚くほど高く、無駄な機能が多い。
どうやら今は、スマホがキーワードらしい。
スマホと連動して、開閉回数を記憶してくれる高価な冷蔵庫なんて売れるのだろうか?
スマホと連動して、音楽をならしたり、水道代や電気代の目安を確認できるトイレなんて需要があるのだろうか?
これでは、新興国に負けて当然だ。
日本の製造業は、勢いのある新興国(中国、インド等)に太刀打ちできなくなっている。
この状況を打破するには、日本は産業シフトするしかない。
産業シフトは、国が発達していけば自然と起こる事だ。
日本の産業も、明治以降、農業から工業へ順調にシフトしていった。
今の先進国の主流産業は、ITと金融だ。
日本以外の先進国は、工業からIT、金融と順調にシフトしている。
そんな中、日本の経営者と政府は、「メイドインジャパン」という過去の栄光に未だにしがみ続けている。
日本企業の将来は、とてもとても暗い。
②日本の労働環境は異常
言うまでもない事かもしれないが、日本の労働環境は異常である。
最近思った事だが、日本の職場には「遊び」がまったく設定されていない。
この「遊び」は、工学の分野での遊びの事だ。
遊びは、装置に組み込まれる安全装置で、人間が操作できる範囲の内、装置の動作に影響しない範囲の事である。
例えば、車のハンドル操作は、遊びがないと非常に危険だ。
くしゃみやあくびをする際に、ハンドルに意識しない動作が加わる。
この動作がダイレクトに伝わってしまえば、突然左右に自動車が曲がってしまうので、事故に繋がる可能性が高い。
他に、パソコンのキーボードにも遊びがある。
一定以上の力でキーボードを押さないとキーは打ち込まれない。
これは、うっかり触ってしまった場合の誤入力を防止している。
日本の職場は、人員と時間の遊びがまったくない。
人員に遊びがないから、有給休暇を自由に取得できない。
それから、時間に遊びがないから、残業が日常になっている(サービス残業は論外)。
そして、人員と時間に遊びがないから、精神的にも肉体的にも遊びがなくなる。
職場でイライラしている人は実に多い。
日本の労働環境の被害者だろう。
有給休暇を自由に取得できないのも、残業が日常になっているのも、日本では常識になってしまっている。 日本の常識は、法律すら上回っているようだ。 なぜなら、法治国家であるにも関わらず、法律が守られていないからだ。 労働に関して、日本の常識=世界の非常識、であると認識しておこう。
就職は稼ぐ方法のうちのひとつ
学校を卒業したら就職する、という選択肢が今も昔も主流だ。 だが、就職はお金を稼ぐ選択肢の内の一つに過ぎない。 就職のリスク、とりわけ日本における就職のリスクは、無視できないほど高い。 周りの人が就職しているからといって、自分も何も考えずに就職する道を選ぶ、という事は安易で危険すぎる。
十分に考えた上で、就職するなら言う事はないが、「就職以外にもお金を稼ぐ方法がある」、という事も頭に入れておくべきだ。 就職する場合でも、一時的なその場凌ぎと考えておこう。 企業の為に尽くして報われるなんて事はまずない。