FXをする上で大事な「美人投票の考え方」
2014年7月16日
ケインズの美人投票
僕は、下記で説明する「ケインズの美人投票」の考え方を元に、FXで取引している。
この考えは、非常に重要だ。
僕が実際に行っている取引方法を説明する前に、まずはこのページで、ケインズの美人投票を説明しよう。
イギリスの経済学者ケインズは、「株価の決定は美人投票のようなもの」と言った。
ケインズの言う美人投票は少し特殊で、賞金は「1位になった美人」ではなく、「1位になった美人の投票者」に与えられる。
この条件の場合、賞金を得る為に重要なのは、「自分が誰を美人に思っているか」ではなく、「周りの投票者が誰を美人に思っているか」という考え方だ。
「1位になりそうな美人」が重要なのであって、「本当の美人」が必ずしも重要なわけではない。
「実際に美人投票で1位になった人を、誰も美人と思っていなかった」というケースもあるそうだ。
これは、現実の株式市場でも同じだ。
ケインズの美人投票と同じで、株の値上がり益を得る為に重要なのは、「自分がどの企業の株を買うか」ではなく、「周りがどの企業の株を買うか」という考え方だ。
みんなが「人気がありそう」と思っている会社の株は、みんなが買う為、値上がる。
よって、値上がり益が期待できるので、人気株を持っている投資家は得をする。
反面、人気がない企業の株は値下がる。
投資家は、無限に資金があるわけではない。
人気がある株を買う為に、現在、手持ちの株を売る投資家もいる。
よって、不人気株を持っている投資家は損をする。
美人投票の考え方をFXに当てはめる
この「美人投票の考え方」は、投資全般に適用できる。
当然、FXにも適用できる。
ケインズの美人投票をFXに当てはめよう。
FXで利益を得る為に重要なのは、「自分がどう思っているか」ではなく、「周りがどう思っているか」という考え方だ。
FXは、通貨ペアを選んでしまえば、「買い」と「売り」の2通りしかない。 僕の場合は、ドル円の通貨ペアでしか取引しないので、「買い（ドル買い円売り）」「売り（ドル売り円買い）」だけだ。 ハイアンドローゲームの「HIGH」「LOW」と同じで、実にシンプルだ。
そして、大事なのは、「周りが買うのか、もしくは、売るのか」と考える事である。 「自分が上がる（下がる）と思うから買う（売る）」と考える事は、重要ではない。 自分を中心に考えていると、損をする可能性が高い。
FXは多数派が儲かるゲーム
FXで実際に行われている事を単純なモデルで説明すると、下記のようになる。
現在、ドル円の為替レートが現在1ドル100円。
投資家が5人居るとする。
投資家1人が「買い（ドル買い円売り）」を選択するとプラス1円動き、「売り（ドル売り円買い）」を選択するとマイナス1円動くとする。
そして、1ドル101円に動いたとする。 なぜ、1円分ドルの価値が上がったのかといえば、「買い」を選択した投資家が多かったからだ。
具体的に、以下の3パターンだ。
・1人の投資家が買った
・2人の投資家が買い、1人の投資家が売った
・3人の投資家が買い、2人の投資家が売った
パターンを見てわかるのは、「買い」の投資家が「売り」の投資家より多い事だ。
この場合、「買い」の投資家が多数派、「売り」の投資家が少数派だ。
そして、100円で買った投資家は、101円になった為、売れば1円分儲かる。
100円で売った投資家は、101円で買い戻さなければいけない為、1円分損をする。
つまり、多数派である「買い」の投資家が利益を得る事ができ、少数派である「売り」の投資家が損をする。
逆に、100円から99円になった場合は、「売り」の投資家が多数派、「買い」の投資家が少数派になる。
今度は、多数派である「売り」の投資家が利益を得る事ができ、少数派である「買い」の投資家が損をする。
FXは上記のようなゲームが連続して行われている（実際にはもっと複雑）。
「美人投票が連続したゲーム」と言う事もできるだろう。
FXで勝つ為に重要なのは、その都度のゲームで「多数派」に属している事だ。
FXで負けている人は美人投票の考え方ができていない
命題：「FXで勝つ人は、多数派だ」
形式論理学の基本法則に従うなら、上記の命題が真の場合、対偶命題は必ず真である。
対偶命題：「多数派ではない人は、FXで勝てない」
言いかえれば、「少数派の人は、FXで負ける」という事だ。
FXで負けている人は、少数派に属している。
つまり、負けている人は「美人投票の考え方」ができていないと僕は思っている。
以前の僕は少数派だった
正直に告白すると、以前の僕は「美人投票の考え方」ができていなかった。 簡潔に言えば、負けていた。 負けていた理由の大半は、「自分の考えに固執し続けていて、周りがどのように思うかをまったく考えていなかった」からだ。
そして、現在記述している事とこれから記述する事は、現在の僕が過去の僕に宛てる手紙のようなものだ。 その内容があなたの為になるなら幸いである。
次のページから取引方法を紹介していくが、「美人投票の考え方」は常に意識しておいてほしい。
