ブラック企業とは
2013年8月9日
ブラック企業の存在が世に広まりつつある
ブラック企業という単語を知らない人が少なくなってきたように思う。
高度成長期からバブル崩壊前にかけて、企業は労働者にとって絶対的な存在だったと言っていい。
労働者は企業の言う事に従っていれば、それなりの見返りがあった。
企業に忠誠を誓えば、労働者の生活面を保障してくれた。
企業も労働者を働かせれば、利益が拡大していった。
働けば働くほど、企業の利益は上がるし、労働者の待遇も良くなる。
しかし、バブル崩壊後、その好循環は消滅してしまった。
企業は高度成長期やバブル崩壊前とは違い、思ったような収益を見込めなくなってしまった。
以前と同じような収益を確保するにはどうすればいいか。
利益が減ったのなら、支出を減らせばいい。
稼げない分は労働者に負担させればいい。
それが企業の結論ではないだろうか。
労働者の負担が増えた実例
コンビニのアルバイト店員を例に出そう。 以前と比べると恐ろしいほど労働量が増えている。
例えば、FF(ファーストフード)だ。
利益率が高い事もあり、どの全国チェーンでもメニューをどんどん増やしている。
作るのはアルバイトだ。
労働量が増えたからといって、時給が増えるわけではない。
それだけではない。
「声を出す」という行為は、思いのほか体力を消費する。
「いらっしゃいませ」
「○○円になります」
「ありがとうございました」
くらいが最低限の声出しだろうか。
最近コンビニに行くと、様々な場面で声をかけられる。
「○○(コンビニ名)へようこそ」
「○○カードはお持ちですか」
「ただいま○○がお安くなっております」
「ご一緒に○○はいかがでしょうか」
「いらっしゃいませ」(利用客が通りかかる度に)
マニュアル化されているのだろう。 これらを、コンビニ利用客全員に言わなければならない。 声出しだけでも大変な労働になる。
この他にも、商品の種類が増えていたり、ネット通販受け取りなどの手続きが増えていたりする。 なかには、サービス残業を強要するオーナーすら居る。
繰り返すが、時給が増えたわけではない。
全業種で労働量が増えている
コンビニアルバイト店員だけではない。
アルバイト、パートではスーパーの店員、携帯電話販売員、飲食店の店員、服屋の店員、etc…
店員の動きを観察していればわかるが、明らかに忙しそうだ。
労働力に見合わない時給だと思う。
もちろんアルバイト、パートだけの話ではない。
正規雇用、非正規雇用問わず、労働者は酷使されている。
よく大企業の正社員は羨ましいとか言われるが、そんなことは決してない。 責任や労働量が驚くほど増大している。
僕は以前、大企業の下請けとして、大企業の職場で働いていたが、
「例え年収が倍になっても、この企業の従業員にはなりたくない」
と強く感じた。
あなたは、自身のミスでもなく、ましてや直接の部下のミスでもない、五次、六次受け他社従業員のミスの責任を取りたいと思うだろうか?
僕なら絶対に取りたくない。
話を少し逸らしてしまったが、企業は今まで以上に労働者を酷使する。
時給は据え置きだ。
そのようにすれば、企業は以前と変わらずにいられる。
労働者に頑張らせれば良いだけだ。
要は以前と比べると、業種や契約形態に関係なく、待遇は変わらない(むしろ悪くなっている)にも関わらず、労働量が驚くほど増加している。
ブラック企業と言われる所以はその辺にあるのではないかと思う。
次のページでブラック企業の特徴について考えていきたい。