2013年労働者の平均給与
2014年3月1日
2013年の労働者平均給与は2012年より低下
労働者の平均給与推移
統計元:厚生労働省 毎月勤労統計調査(確報)
以下の記事を読んだ。
13年の現金給与、実は減っていた 確定値で修正
2013年に労働者1人が月々もらった現金給与総額は平均31万4054円で、前年を73円下回った。厚生労働省が18日発表した毎月勤労統計調査(確報)でわかった。5日発表の速報では前年をわずかに23円上回り3年ぶりに増えたとしていたが、一転、3年連続の下落となった。比較可能な1990年以降では、過去最低の水準となる。
現金給与総額は、パートを含む労働者が受けとる基本給に残業代とボーナスを合わせたもの。確報で下落したのは、賃金の低いパートの比率が速報よりわずかに増え、平均額が下がったためだ。前年と比べた増減率は0・0%で速報段階と同じだった。
物価が上がった分をのぞく実質賃金指数は0・5%下がり、2年連続のマイナス。物価上昇に賃金が追いつかない状況について、安倍晋三首相は17日の衆院予算委で「景気の実感を行き渡らせ、賃金上昇に結びつける過渡期にある。経営者が収益改善を賃金上昇に結びつけることを期待している」と語った。(山本知弘)
現金給与総額は1月から12月までの基本給に残業代とボーナスを合わせた値だ。
2013年は安倍政権の政策「アベノミクス」で景気が良くなったとの事だ。
しかし、2013年の月給は2012年より下回っている。
下図は2012年と2013年の月毎の平均給与を比較したものだ。
2012年と2013年の月毎の労働者平均給与推移
統計元:厚生労働省 毎月勤労統計調査(確報)
2012年と2013年を比べると、2013年の平均給与がやや下がっている。
景気が回復したというのなら、労働者の給与が上がってなければおかしいのではないか。
アベノミクスで上昇したのは株価だけ
企業の業績が良くなれば、基本的に労働者の待遇は良くなる。
そして、株価は上がる。
だから、通常であれば、「企業の業績が良くなれば」、「労働者の待遇が良くなり」、「株価が上がる」という流れになる。
上記のような状態が日本全体に広まれば、景気が良いと言える。
アベノミクスという政策では、企業の業績は上がっていない(むしろ悪化している)。
企業の業績が上がっていないから、労働者の待遇も変わらない(むしろ悪化している)。
しかし、なぜか株価だけは上昇している。
2013年12月末の時点で、日経平均株価は約16000円だ。
日経平均株価約16000円は、2000年前後と同じくらいの値だ。
2013年の株価が妥当な値であるなら、労働者の給与も2000年前後と同じ値になるはずだ。
上の労働者の平均給与の推移の図を見てもらえばわかるが、2000年の労働者の平均給与は35万5474円、2013年は31万4054円で約4万円低下している。
2000年と2013年の月毎の平均給与を比較すると、より明確にわかるだろう。
2000年と2013年の月毎の労働者平均給与推移
統計元:厚生労働省 毎月勤労統計調査(確報)
2000年と2013年の月の平均給与で大体2万円、夏のボーナス時には5万円、冬のボーナス時にいたっては10万円の差がある。
今回の株価上昇は、残念ながら労働者の給与とあまり相関がない。
2013年は「企業の業績は変わらず(むしろ悪化し)」、「労働者の待遇は悪くなり」、「株価だけが上昇した」。
上昇したのは株価だけだ。
株価が上昇したのは、期待によるバブルでしかない。
日本は、国内外投資家のギャンブル場となっているだけだ。
2014年の労働者の給与はさらに悪くなるのではないか
僕は、2014年の労働者平均給与は2013年より下がると思っている。
給与が下がると思う大きな要因は、以下のとおりだ。
・円安による輸入費増加
・消費増税による消費落ち込み
・公共事業の縮小
どれも企業に大きな影響を与えるだろう。
他にも給与が下がる小さな要因は、いろいろと考えつく。
しかし、給与が上がる要因がまったく思いつかない。
給与が上がると思う要因がまったく思いつかない日本経済の現状が、一番の問題である。