社畜とは
2013年8月7日
社畜とはなんだろうか
社畜という単語は、ここ数年の内に登場した。
グーグルトレンドで調べてみると、2009年頃から検索されはじめ、その後もじわじわと検索数を上げている。
今後も増え続けるだろうと僕は予測している。
「ブラック企業」の知名度が上がれば上がるほど、「社畜」という単語の知名度も上昇している。 社畜とブラック企業は切っても切れない関係だ。
wikiによると
社畜(しゃちく)とは、主に日本で、勤めている会社(営利企業)に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化したサラリーマンの状態を揶揄したものである。「会社+家畜」から来た造語で、「会社人間」や「企業戦士」などよりも、皮肉が強く込められている言葉である。 英語圏では同様の概念として「corporate slave」が存在し、社畜の訳語として和英辞書に登場することがある。
とある。
ちょうどwikiにも記載されているが会社人間、企業戦士よりも悪い意味で使われている。
社畜も会社人間も企業戦士も、会社に尽くすという意味では、どれも同じだ。
変わったのは時代と待遇である。
労働者の待遇の変化
待遇の変化を、平均年収で確かめてみよう。 下図は労働者の平均年収の推移だ。
統計元:国税庁 民間給与実態統計調査
バブル期以降、どんどん低下しているのがわかる。 1997年(平成7年)の467万円をピークに、そこから少しずつ年収が減り続け、2012年(平成24年)の時点で408万円だ。
しかし、このデータに疑問がある。
年が進むにつれて、平均年収が減少している事はわかった。
だが、周りの人達は本当に400万円ほど貰っているのだろうか?
若い年代であればあるほど、400万円以上貰える人なんて稀である。
僕の周りには、フリーターや非正規雇用は多い。
年収は100万~200万円くらいの人達が多い気がする。
生活水準を見る場合、平均年収は参考にならない
平均年収はあまり参考にならない。 以下の表は、労働者11人をランダムに抽出し、年収を表したものだ。
参考:国税庁 民間給与実態統計調査
このグラフは国税庁のデータを参考に、僕がそれっぽく11人に縮小したものだ。
平均年収が430万円になる。
しかし、このデータを見て、平均年収が430万円と納得できるだろうか。
0円から300万円の人達でデータの半分以上を占めているのに、平均年収がそれより高いのである。
生活水準は、中央値で見た方がわかりやすい。
中央値とは、データを整列した場合に、真ん中にくる値だ。
このデータの場合は、集計人数が11人なので、6番目の人の年収、300万円が中央値になる。
このように、生活水準を確かめたい場合は、平均値よりも中央値で見るべきだ。
平均値だと、割合的には少ない高所得者層が、平均年収を大きく底上げしてしまう。
例えば、世界長者番付に名前を連ねる億万長者(ビル・ゲイツとか)が田舎村に引っ越してきた場合、平均年収は大きく上がるが、年収の中央値はほぼ変わらない。
中央値で見たほうがずっと、実生活の上で参考になる。
社畜と企業戦士の違い
結局の所、社畜と企業戦士の違いは、待遇にあると思う。
今も昔も、労働者は経営者に手荒く扱われていた。
社畜も企業戦士も、手荒く扱われる事には変わりはない。
しかし、待遇には相当の差がある。
高度成長期やバブル期では、労働者は働けば働くほど、それなりに見返りがあった。
バブルが崩壊し、景気が低迷している現在の日本はどうだろうか。
毎日終電前まで仕事、休日出勤、上司や先輩のイヤミ、説教に耐え、月給は多くない。
ボーナスは支給されている人の方が少ないだろう。
しかも、長年勤めれば報われる、という事もない。
企業戦士と言われていた時代は、月の給料やボーナスをそれなりに貰え、長く働けば将来的にも見返りがある。 仕事がキツくとも、なんとかやっていけるだろう。
一方、社畜はどうだろうか。 仕事がキツく、待遇も悪い。 そんな仕事と待遇で、満足できる人間なんて普通は居ない。
社畜に分類される人達はどんな人達だろうか
他方で、良い待遇で働いている人達やイキイキと仕事をしている人達も、少数ながら居る。 社畜と言われる人達とは違い、とても人生が楽しそうだ。 いったいどんな違いがあるのだろうか。
次のページで社畜の特徴をまとめてみる事にする。