労働基準法を知る
2013年9月4日
労働基準法関連の本は経営者向けに書かれている
ある日、僕は労働基準法を学びたいと思い、書店に本を買いに行った。
いくつかの本をパラパラ眺めて気づいた事がある。
労働基準法関連の本の多くは、経営者や労務担当者向けに書かれているのだ。
いくつかの本を流し読みしたところ、こんな目次や見出しが目に付く。
・退職者とのトラブルを避けるには?
・残業代を節約したい
・有給休暇の日数を合法的に減らすには?
・ふまじめな社員を辞めさせる方法
中にはタイトルからして経営者向けとわかる本もある。
・ちょっと待った!! 社長!その残業代払う必要はありません!!
・小さな会社の社長さんのための労働基準法
・Q&A退職・解雇・雇止めの実務―知っておきたいトラブル回避法!
・労働基準監督署への対応と職場改善―是正勧告、指導を活用し明るい職場づくりを
労働基準法を知らない労働者の割合が多い
これらの事から推測すると、「労働基準法関連の本の購入者の多くは経営者もしくは労務担当者」ではないだろうか?
労働者のほとんどは、労働基準法の本を購入していない。
つまり、「労働者は経営者よりも労働基準法の知識に乏しい」という事になる。
確かに僕が仕事で関わってきた人達は、労働基準法などほとんど意識していなかったし、知識も曖昧だった。
僕もそのうちの一人だった。
労働基準法は、労働者の労働条件について、最低限の基準を定めた法律だ。
経営者や労務担当はその最低限を知る為に、労働基準法を学んでいる。
労働者の為を思う良き経営者ばかりなら特に問題はない。
しかし、残念ながらそんな経営者ばかりではない事は、ブラック企業の割合から見てもわかる。
労働基準法は、あくまで最低限を定めた法律に過ぎない、とも言える。
ブラック企業経営者の多くは、最低限の基準ギリギリのラインやグレーゾーンを付いてくる。
そんな経営者を相手にする為には、労働者も武装するしかない。
無知のままでいると、不利な労働契約を結ばされてしまったり、働く上でとてつもない不利益を被る事になる。
労働基準法は武器にはならないが防具にはなる
残念ながら、労働基準法は強力な武器にはならない。
罰則は弱いし、強制力もそんなにあるわけではない。
当然のように労働基準法違反が蔓延っている。
しかし、労働基準法は防具としては使える。
企業という敵と戦う場合、防具の有無は生存率に雲泥の差が出る。
労働者は労働基準法を知り、法律という防具を身に付けるべきだ。